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【この物件、買っていい?#4】東所沢駅 徒歩18分・利回り9.84%のRC1棟マンション|判定は「収支良好」、ただし融資期間に落とし穴

東所沢駅徒歩18分、2LDK×18戸・RC造・表面利回り9.84%の1棟マンションをPropilarで判定。融資25年なら月34.8万円の黒字で「収支良好」。しかし残存耐用年数の11年で借りると月19.9万円の赤字に。不動産投資の判定が融資期間でひっくり返る理由を解説します。

シリーズ「この物件、買っていい?」では、実際に売りに出ている物件の数字を借りて、Propilarで判定します。これまでの3回は「リスク要因多い」「要確認項目あり」が続きました。

第4回は、埼玉県所沢市・JR武蔵野線「東所沢」駅から徒歩18分のRC造1棟マンション。今回はじめて 「収支良好」 の判定が出ました。ただし、この判定には大きな前提があります。

ℹ この記事の前提

物件の数字は、2026年10月に不動産ポータルサイトへ掲載されていた実在物件のものです。最寄り駅と徒歩分数のみ掲載し、番地・物件名・販売会社は伏せています。融資条件(金利・借入割合・期間)と空室率は、判定のために置いた仮定です。判定結果は入力条件と評価基準によって変わります。投資判断はご自身の責任で行ってください。

対象物件

物件種別:   1棟マンション(RC造5階建て・2LDK×18戸)
最寄り駅:   JR武蔵野線「東所沢」駅 徒歩18分
築年:       1990年築
物件価格:   1億4,500万円
表面利回り: 9.84%(想定年間賃料 1,426.2万円 / 月118.9万円)

1戸あたりの家賃は平均で約6.6万円。駅からは遠めですが、ファミリー向けの2LDKが18戸あります。

判定に使った仮定は次のとおりです。

借入額:     1億3,050万円(物件価格の9割)
金利:       2.5%
返済期間:   25年
空室率:     10%

判定:収支良好

Propilarの判定は 「収支良好」 でした。

指標結果Propilarの目安
実質利回り(FCR)7.16%5%以上で良好、3%未満で要注意
月次キャッシュフロー+347,674円プラスであること
DSCR1.591.3以上で良好、1.0未満はリスク
BER(損益分岐入居率)59.8%70%以下で良好、85%超はリスク
CCR(自己資金配当率)16.09%5%以上で良好、0%未満はリスク

「確認が必要な指標」はLTV(借入比率90%)だけ。金利上昇・空室増加・賃料下落の3つのストレスシナリオでも、税引前キャッシュフローは黒字を保ちます。

数字が良い理由

1年分のお金の流れは次のとおりです(運営費・NOI・年間返済額は、Propilarの結果から逆算した概算です)。

満室想定の年間賃料(GPI):   1,426.8万円
空室損(10%):               −142.7万円
空室を引いた収入(EGI):     1,284.1万円
運営費:                      約−164万円
運営費を引いた純収益(NOI): 約1,120万円
年間のローン返済額:          約−702万円
────────────────────────────
手残り(税引前CF):          約+418万円(月 約+34.8万円)
  • DSCR 1.59: 純収益が返済の1.6倍あり、返済に余裕があります
  • BER 59.8%: 18戸のうち7戸が空いても、収支はまだ黒字です
  • レバレッジ有効: FCR 7.16% が K%(年間元利返済額 ÷ 借入額)5.38% を上回ります。金利(2.5%)基準でも、より厳しいK%基準でもプラスです

駅から遠い分、価格に対する家賃が高く(利回りが高く)、それが数字の良さにつながっています。

落とし穴:残存耐用年数の11年で借りると赤字

この判定は「25年で借りられる」ことが前提です。

RC造の法定耐用年数は47年。築36年のこの物件は、残りが11年しかありません。金融機関によっては、融資期間を残存耐用年数までに制限します。

そこで、返済期間だけを25年から11年に変えて判定し直しました。

返済期間判定月次CFDSCR
25年収支良好+347,674円1.59
11年リスク要因多い−198,701円0.82

物件も家賃も同じなのに、融資期間が11年になるだけで、毎月約35万円の黒字が約20万円の赤字に変わります。判定は「収支良好」から「リスク要因多い」へ、最も良い判定から最も悪い判定まで動きました。

⚠ 判定は「物件」ではなく「物件×融資条件」に出る

同じ物件でも、融資期間しだいで判定は正反対になります。築古の物件では、「この利回りなら買い」と判断する前に、金融機関で何年の融資が付くかを確認してください。

ほかに確認したいこと

数字の判定には入っていない、次の3点も確認が必要です。

  1. 駅徒歩18分の空室リスク: 空室率10%は仮定です。駅から遠いファミリー物件は、募集に時間がかかることがあります。BER 59.8%なので余裕はありますが、周辺の空室率と募集期間は確認しましょう
  2. 大規模修繕: 築36年のRC造5階建ては、外壁・屋上防水・給排水管・(あれば)エレベーターの更新時期です。運営費の自動見積もりには大規模修繕が十分に入っていないため、修繕履歴と今後の予定を確認しましょう
  3. 想定賃料と現況賃料の差: 掲載の利回りは想定賃料ベースです。レントロール(現在の賃料一覧)で、各戸の実際の家賃と入居状況を確認しましょう

この物件の条件で、自分でも判定してみる

上の物件価格・賃料・融資条件を入力した状態でPropilarが開きます(登録不要)。返済期間を11年・15年・20年と変えて、どこで判定が変わるか試してみてください。所在地を入れると地域需要も含めて判定できます。

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まとめ

  • 東所沢駅 徒歩18分・1億4,500万円のRC造1棟マンション(2LDK×18戸・表面利回り9.84%)を、融資9割・金利2.5%・25年で判定すると 「収支良好」
  • DSCR 1.59、BER 59.8%、月34.8万円の黒字。K%基準でもレバレッジは有効
  • ただし残存耐用年数の11年で借りると、月19.9万円の赤字で「リスク要因多い」に転落する
  • 築古物件の判定は、融資期間の確認が先

シリーズでは今後も、実際に掲載されている物件の数字で「買っていいか」を判定していきます。

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